横浜界隈も暑い日が続いていますが、風は心地よいですね。
昨日は夏至でした。
昼が最も長い日。
七十二候はというと、乃東枯(なつかれくさかるる)」
乃東とは、夏枯草の古名。
夏枯草とは、ウツボグサのこと。
洋の東西を問わず、古くから薬として広く用いられたとか。
※ 注:画像はウツボグサではなく、アガパンサス。
七十二候には、このウツボグサが芽を出す頃という意味合いの「乃東生 (なつかれくさしょうず)」もある。
こちらは冬至の最初。
ウツボグサは冬至に芽を出し、夏至に枯れる。
冬至から夏至への、時間の流れを感じます。
そして、これから冬に向かって夜の時間が増えていく。
なんとなく残念なような気もする。
けれども、夏が終わるわけではなく、これからが夏本番。
日本の夏は蒸し暑い。
特に海外から来られた方の多くは、この蒸し暑さに閉口するとか。
明治の頃、日本政府などに雇われた外国の方々(いわゆる「お雇い外国人」)や宣教師の皆さまは、日本の夏を避け、軽井沢に避暑に出かけた。
それが軽井沢の別荘地の始まりとされている。
確かに、軽井沢の夏は過ごしやすい。
特に朝晩になれば、冷んやりとした風が吹いたもの。
最近までエアコンのない家も多かったというくらい。
近年でも、ものすごく暑い日というのは、ほんの2週間もなかっただろうか。
今でも、それが好まれることもあって軽井沢には別荘が立ち並ぶ。
けれども、私には軽井沢の夏は物足りなかった。
夏は暑いもの。
強烈な陽射しが降り注ぎ、むわっとした湿気が立ち上る。
それが、私にとっての夏。
そんな夏の気配がすると、わくわくする。
それはきっと、夏休みの記憶とつながっているから。
海の上に広がる青い空と白い雲。
熱気に満ちた港街。
いつもの書店に出かけ、文庫本コーナーへ。
新潮文庫の100冊から、その日の1冊を選ぶ。
あの幸せな感覚が、夏の熱気に蘇る。
そう、スイカが美味しいのも暑いからこそ。
軽井沢では、その感動は薄らいでしまう。
とはいえ、夏休みに新潮文庫の100冊に心躍らせた頃に比べ、夏の暑さは厳しくなった。
今頃のこの涼風が、かつては真夏にも感じられた記憶があります。
だからこそ、今、かつての夏休みの感覚が蘇るのかもしれません。
屋外で働かれる方々には、厳しい季節かと思います。
どうかお気をつけて、これからの暑さを乗り越えられますよう。
暑さはほどほどに、よき夏を!