3月26日からの七十二候は「桜始開(さくらはじめてひらく)」。中国に由来する旧い暦ですが、今年はソメイヨシノの開花時期にぴたりと合いました。
桜といえば…….。
平安時代、時は土御門(つちみかど)天皇の治世の頃。当時、皇居となっていた大炊(おおい)殿で、侍者に桜の枝を切らせ、こっそり持ち帰った者がいました。皇居の桜を切るなど、とんでもないことです。
実は、この一部始終を見ていた者がいて……犯人は誰だったのか? そして、その顛末やいかに。
鎌倉時代に編纂された『古今著聞集』。そこに綴られているこのお話も、短編小説としてお届けできる時があるかもしれません。
さて、このように古来から愛される桜。東京近郊ではソメイヨシノも花開き始めました。
まさに「桜始開」。世に知られた桜の名所でのお花見は、心躍る楽しいものです。
一方で、見慣れた通勤・通学途中の道端やご自宅の周りにも、もしかしたら桜の花が咲いているかもしれません。一年を通して身近にあって、いつも見守ってくれている草木たち。
「うまく咲いたね」「今年もありがとう」「これからもよろしく」
そんな気持ちになれたら、嬉しいですね。